『逆転裁判 4』

逆転裁判4(通常版)(特典無し)

逆転裁判4(通常版)(特典無し)

連続でやり続けてただ今クリアしました。なんか久々に現実世界に帰還してきた気分です。

今回はパート3から7年後の物語なのですが、これまで主役だった成歩堂龍一(なるほどう・りゅういち)は弁護士を辞めていて、ワケありの娘・みぬきと一緒に芸能事務所を運営しているという設定です。そして、事件に巻き込まれた成歩堂の弁護を務めるのが、今回の主役である王泥喜法介(おどろき・ほうすけ)となります。ちなみにパートナーはみぬきちゃんです。

今回新たに登場したのが「みぬく」システムです。これは証人が動揺した時の仕草を「見抜く」ことが出来る能力で、主人公が持っている腕輪が反応した時に、証人をアップにして細かい動きまで調べることが出来るシステムです。今まで「裁判は証拠品が全て」と言ってきた割には、動揺にツッコミを入れるのはどうかと思いましたが、証人が「ウソをついている」ことをより深く表すことが出来るという点では、面白くて良いシステムだと思いました。

それから以前『蘇る逆転』の時に予想したとおりアメリカから宝月茜ちゃんが帰ってまいりました。旅立ってから9年後ということで25歳の大人の女になっているわけですが、希望の部署に就けず、「カガク捜査の力が発揮出来ない」といつもふてくされてカリントウ食べまくりの警察官となっています。今回は指紋採取や血痕反応に加え、足跡採取やX線検査などの新しいカガク捜査も伝授してくれたりしますが、弁護側に情報をドンドンくれるという点では、今までで言うところのイトノコ刑事と言ってもよいでしょう(頼り甲斐は全然違いますけどね)。

逆転裁判で外せないのはやっぱりキャラクターでしょう。今回も濃いです。並奈美波(なみなみなみ)とか北木滝太(きたきたきた)とか面白い名前から、ハーモニカでチャルメラを吹くラーメン屋とか、歯ブラシみたいな人とか。ヒーロー物がいなかったのが少し残念ですけどね。でもやっぱりお気に入りは茜さんとみぬきちゃんだったりするんですがね。それとオドロキくんが驚いた時に最後に一瞬見せるトンガリ唇(笑)。

最終話は斬新なシステムになっています。ネタバレになるので詳しく言いませんが、成歩堂さんが弁護士を辞めさせられた7年前の事件から始まり、全ての事件が一つに繋がります。一見関係なさそうに見えたそれぞれの章が、最後で一つに繋がった時にはとても驚かされました。ただ、この斬新なシステムにおいては、犯人や殺人方法や動機などがほぼ分かってしまい、最後のツメの部分が簡単になってしまっていたのが残念でした。いつもだと最後は、逆転→逆転→これでもか→これでもか→ドドーン、って感じなのですが、今回は全て分かっちゃってるので割と静かです。その上、最後の最後は日本でも話題になってるあの制度が決め手になってるので、ウウーンって尻つぼみな感じでした。

このような壮大な物語も良いですが、私個人的には、各章がそれぞれ独立した物語でもそれはそれで面白いんじゃないかなぁと思います。出す度にハードルを上げていくといずれ限界が見えてしまうので、そこでシリーズがストップしてしまうとファンとしては悲しいです。とにかくこれからもずーっと続いて欲しいシリーズであります。