『428 〜封鎖された渋谷で〜』

チュンソフトが送るサウンドノベルシリーズです。

ザッピングシステムというのを採用していて、言う人に言わせるとセガサターンで発売された『街』と同じシステムだそうで、今作に関しても「街2だな」という声もあります。

サウンドノベルと言えばスーファミの『かまいたちの夜』以来、全く手を付けていなかったのですが、発売直前になって「週刊ファミ通」のクロスレビューで満点を取ったって情報を耳にしたもんだから、慌てて購入した次第です。だって、ファミ通20年以上の歴史で満点は8本しか無かったですからね。そりゃ欲しいでしょ。実を言うと、通販は軒並み売り切れだったので、オークションで譲ってもらったんですけどね。

ザッピングシステムというのは、複数の主人公のシナリオが複雑に絡み合っていて、主人公をパッパッと切り替えながらプレイするシステムのことです。主人公は最大で5人いて、それぞれの物語が進んで行くのですが、舞台が渋谷に限定されているので主人公同士が顔を合わせる事があるわけです。なのである主人公の行動によって、他の主人公に影響が出てきたりするワケなんです。

例えば警官であるAがいて、公園で犯人を捕まえようとましたが、ある親子がチンピラに絡まれているのが邪魔で捕まえられませんでした。そういう時は、他の主人公のストーリーでその親子と出会う場面が無いか探します。上手く絡んで親子の行動を変えれば、Aの任務が上手くいくという感じです。

ゲーム全体としては「誘拐事件を解決する」というバシッと一本のストーリーがあるのですが、最初はどの主人公もお互いが同じ目的で動いていることを知りません。それでいてお互いに影響を与えあっているというのが、このゲームの絶妙なところです。

俳優陣で知っていたのは、ヒロインの近野ちゃん(最近ではピザのCMかな)、久々登場のなすび(電波少年の懸賞生活以来だ(笑))、あとは田中要次さん(「あるよ」の人)の3人。特に田中さんはタクシーの運転手の役なのですが、どこに居ても都合良く現れる味のある役をされてました。もうこういう役は田中要次っていう風に、世間的にはなっちゃってますよね(笑)。

同じシステムで『街』が満点を取れなかったのに『428』で取れたということは、やはりストーリーの出来が関係しているのだと思います。実際にプレイしていても、いつ止めようか困る程に引き込まれました。やりこみ要素もありますので、結構長く楽しめるのではないでしょうか。