多読始めます。

「多読」というのは英語学習法の一つで、「とにかく英語の本を読みまくる」というものです。この学習法については、東京帝国大学の英語教師でもあったあの夏目漱石も自身の著書の中で、

英語を修むる青年はある程度まで修めたら辞書を引かないで無茶苦茶に英書を沢山読むがよい、少し解らない節があって其処は飛ばして読んでいってもドシドシと読書していくと終いには解るようになる、又前後の関係でも了解せられる、其れでも解らないのは滅多に出ない文字である、要するに英語を学ぶ者は日本人がちょうど国語を学ぶような状態に自然的習慣によってやるがよい、即ち幾変となく繰り返し繰り返しするがよい、ちと極端な話のようだが之も自然の方法であるから手当たり次第読んでいくがよかろう。

夏目漱石『現代読書法』(1906年9月10日)より

と書いています。(ちなみにこれに続く文では、難しいイディオムを機械的に暗記することの無意味さや、そこから試験問題を出したりすることへの批判も書かれていたりして、100年前も今と変わらず、実践で役に立たない英語教育がされていたんですねぇ。)

そんな学習方法がなぜ今まで大々的に行われてこなかったかというと、システムとして構築されてこなかったからだそうですが、近年になってようやくSSSという方法が確立されました。SSSとは「Start with Simple Stories」の略で、簡単なレベルの本から読み始め、目標の100万語までカウントしていこう、というものです。

SSSには多読3原則

  1. 辞書を引かない
  2. 分からない部分は飛ばす
  3. つまらなくなったら止める

というのがあって、学校みたいにジックリ細かく勉強するのではなく、とにかく英文に多く触れるのを目的としています。

ここで問題となるのが、自分にあったレベルの本の探し方と、語数です。そんな時に役に立つのがSSSのサイトにある書評システムで、多くの方の手によって洋書データベースが構築されていて、各本のYL(読みやすさレベル)と語数も掲載されています。この中のレベル0(YL0)の本から開始すれば良いということです。

ちなみに「英語が全然ダメな人間には向かないんでしょ?」とお思いの方もご安心を。語数が100を切っている絵本的な洋書も沢山あります。中には語数が「2」なんてものも(絵だけか?

今回は、公式サイトでセット販売されている「Starter Set A」から始めてみたいと思います。今後は併設されている中古ショップを使えば、金銭的に助かりそうですね。